2025/12/29
クリスマスとお正月
― 結婚はすべてが楽しいわけではない。それでも、この時期は心から「結婚して良かった」と思える ―
結婚生活は、決して楽しいことばかりではありません。
それでも、年末からお正月にかけては、「結婚して良かった」としみじみ感じる方が多いのではないでしょうか。
クリスマスが近づくと、街のあちらこちらでイルミネーションが輝き、街全体が華やかな雰囲気に包まれます。
昔のように街で大騒ぎをしながら飲み歩くという時代は終わり、多くのサラリーマンは早めに家へ帰り、家族と静かにクリスマスを過ごす。そんな空気が主流になったように感じます。
私は60歳の時、諸事情により離婚をしました。
その後の数年間は、正直に言って、とても寂しい時間でした。
「このまま老いて、朽ち果てていくのだろうか」
そんな疑問が心に浮かぶようになりました。
一人で生きていくことはできます。
しかし、普通の人間同士が励まし合い、元気づけ合いながら生きる生活を、私はもう一度手に入れたいと思うようになったのです。
ただし、考えることと実行することは全く別物でした。
60歳から65歳までの間、私は母の介護という「子としての務め」に向き合っていました。
母は私のことを案じ、友人や知人に声をかけて、何とか結婚させようとしてくれました。
しかし現実は厳しく、60歳を過ぎた男性と積極的に結婚しようと考える女性は、決して多くありませんでした。
母に安心してほしいという気持ちはありましたが、具体的な手段もなく、気がつけば母が93歳で亡くなり、私は本当の意味で「一人」になってしまいました。
そこで私は決心しました。
温かい家庭づくりに、もう一度真剣に取り組もうと。
結婚相談所に足を運び、何も分からないまま入会しました。
正直なところ、入会さえすれば、誰でも簡単に結婚できるものだと、どこかで思っていました。
しかし、現実は違いました。
数か月後、私はその甘さを思い知らされます。
気がつけば67歳。結婚相談所の統計データ上では、結婚できる確率は限りなくゼロに近い年齢でした。
それでも当時の私は、現役のサラリーマンで、収入もあり、健康面にも問題はありませんでした。
お見合いも何度もしましたし、交際に進んだこともありました。
それでも、結婚には至らない。それが現実でした。
諦めずに婚活を続け、3年目。
ようやく、今の妻と出会い、結婚することができました。
多くの方から「奇跡だ」と言われました。
私自身は、強い願いと執念のような気持ちを、神様が少し気の毒に思って助けてくれたのだと思っています。
今のクリスマスは、決して華やかではありません。
それでも、二人でシャンパンで乾杯し、妻の作った料理を囲み、手作りのケーキを食べる。
そこには、何にも代えがたい温かさがあります。
やがて迎えるお正月。
デパートから届くおせち料理と、妻の手料理を食べながら新年を祝う時間は、一人で過ごしていた頃とはまったく違います。
「この先、何か良いことが起こりそうだ」
そんな前向きな気持ちが、自然と湧いてくるのです。
人が一人で生きる場合と、二人で生きる場合の最大の違いは、
困難が起きても、二人なら乗り越えられるという根拠のない自信と、
喜びを分かち合える不思議な嬉しさが生まれることだと思います。
それが仮に錯覚であったとしても、
その錯覚は、人生を支える大きな味方になります。
私のように、67歳から婚活を始めても、何とかなりました。
そうであれば、私よりはるかに若い皆さんは、
その何十倍も幸せにたどり着く可能性を持っています。
婚活を始めるのに、早すぎることも、遅すぎることもありません。
始めるべき時は、「今」です。

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JINSOブライダル 専属カウンセラー 秋山和人(あきやまかずと)
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